このブログでは、私が仕事現場を通じて気づいたことを発信しています。

私が実際に現場で遭遇したこと、効果を検証した内容を基にしていますので、最後までお読みいただけるとうれしいです。

経営改善を目指す上で、なぜ「整理整頓と掃除」が重要なのか、その本質を具体的に解説し、実践的なヒントをお伝えしていきます。

少しでも経営のヒントになれば幸いです。

第1章：企業の悩みや問題はなぜ発生するのか？

1. 経営者が抱える共通の悩みとは

あなたの会社でも、こんな悩みを抱えていませんか？

◇　売上が思うように伸びない
◇　社員の生産性が低く、業務がなかなか進まない
◇　優秀な人材が定着せず、慢性的な人手不足に陥っている

これらの問題は、表面的には異なるように見えますが、実はすべて共通する“ある原因”が潜んでいます。

多くの企業は「もっと売るための戦略」や「社員を教育する仕組み」を模索します。
しかし、それらの取り組みが十分な効果を発揮しないのは、職場環境が問題を抱えているからです。

単に「物が散らかっている」だけが問題ではありません。
本当に会社が良くならない根本的な原因は、モノ以外の部分が「すべて散らかっている」ことにあります。

例えば、必要な書類がすぐに見つからない、道具や備品が適切に管理されていない、会議の資料がバラバラで情報が整理されていない……。
しかし、それだけではありません。

◇　会社の方針や目標が曖昧で、社員の意識がバラバラになっている
◇　組織のルールや業務フローが整理されておらず、判断が属人的になっている
◇　情報共有が不十分で、同じミスや手戻りが繰り返されている

こうした“見えない散らかり”が業務の流れを悪化させ、最終的には売上低迷や人材流出につながっているのです。

では、どのようにしてこの悪循環を断ち切ることができるのでしょうか？

答えはシンプルです。
混乱を解消し、成長へ導く初手は、常に『整理整頓と掃除』にあるのです。

2. 問題解決が進まない本当の理由

多くの企業は、問題が発生するとすぐに対処しようとします。しかし、その場しのぎの対応ばかり繰り返しても、根本的な解決には至りません。

経営者が本当に取り組むべきことは、大きく分けて二つあります。

【１】　目の前の問題解決のスピードを上げること
【２】　問題の発生数を減らすこと

多くの企業は、目の前の業務、特にトラブルやクレームへの対応に追われがちですが、それだけでは持続的な成長はありません。

本当に強い企業は、目の前の課題を素早く解決するだけでなく、そもそも問題が発生しにくい環境を整えることで、成長のための時間の確保と取り組みを実現しているのです。

この環境整備の第一歩こそが、整理整頓と掃除なのです。

職場環境を整えることで、業務の効率化が進み、チーム全体の生産性が向上します。
さらに、従業員の意識改革にもつながり、会社全体の問題解決能力が飛躍的に向上するのです。

3. 企業経営における「カオス」の正体

企業が抱える問題の多くは、目に見えない“カオス”によって引き起こされています。

社内の情報が整理されていない、業務フローが曖昧、誰もが「やるべきこと」より「目の前の対応」に追われている……。

そんな状況では、企業の成長は望めません。

例えば、

◇　書類やデータが社内のあちこちに点在し、必要な情報がすぐに見つからない
◇　会議をしても結論が出ず、同じ議題が何度も繰り返される
◇　業務の優先順位が不明確で、ムダな作業に時間が取られている

これらはすべて「カオス」によるものです。

人間関係、仕組、感情、思考、言葉、境界、合意形成、時間、コミュニケーション、指示内容、指揮系統、ルール、etc

とにかくすべての事柄が散らかっていて絡まっている状態が「カオス」の正体です。

この“カオス”の中では、社員は無駄に時間と労力を溶かしてしまい、本当に大切な業務に集中することができません。
その結果、売上は伸び悩み、組織の生産性も低下し、企業の成長が止まってしまうのです。

この状況を打破するためには、根本から“カオス”を解消し、業務の流れをスムーズにする必要があります。

そのために不可欠なのが、「整理整頓と掃除」です。

単なる清掃活動ではなく、仕事の仕組みを根本から見直し、ムダを省き、スピード感のある経営を実現するための基盤を作る。

それが、企業を“カオス”から解放し、成長へと導く鍵となるのです。

第2章：「整理整頓と掃除」がなぜ経営改善の第一歩なのか？

1. 経営と職場環境の密接な関係

経営の良し悪しは、職場環境と直結しています。

散らかったデスク、山積みの未整理書類、無計画な業務スケジュール――このような環境では、社員の思考も業務フローも乱れ、結果として企業全体の生産性が低下します。

逆に、整理整頓が行き届き、業務フローがスムーズな環境では、社員は無駄な動きを減らし、本当に重要な業務に集中できます。

つまり、職場環境の整備こそが、経営の効率を大きく左右するのです。

色々な業務改善の施策があり、結果を急ぐ経営者はそちらを優先したくなる気持ちはよくわかりますが、職場環境が整わぬ段階では、どんな改善手法も機能しません。

いくら効率化ツールを導入しても、情報が整理されていなければ活用されず、高度なマネジメント手法を取り入れても、現場が混乱していては効果は出ません。

崩れそうな土台の上に高層ビルを建てても、いずれ必ず取り返しのつかない事態に陥ります。

まずは、しっかりと土台を固めることが最優先です。
それは、太陽が東から昇り西に沈むのと同じくらい揺るぎない原則なのです。

組織の成長を加速させたいなら、まずは職場を見直すことが不可欠です。

机の上の整理整頓から、業務プロセスの見直しまで、まずは職場環境を整えることが、企業の未来を変える第一歩となります。

2. 思考の整理は業務の整理

物の整理と情報の整理は、実は同じ手順で進めることができます。

まず、不必要なものを取り除き、必要なものを明確にし、それを適切に分類し、誰もが活用しやすい形に整える。

この基本的な整理のステップを、モノだけでなく業務の流れや情報管理、意思決定のプロセスにも応用することで、業務の優先順位が明確になり、経営の効率化が飛躍的に向上します。

たとえば、社内の情報が散乱している企業では、社員が必要なデータを探すのに無駄な時間を費やし、業務の停滞を招きます。

しかし、情報の整理が行き届いた環境では、必要な情報がすぐに手に入り、迅速な意思決定が可能になります。

整理とは単なる片付けではなく、企業の生産性向上のための戦略的なプロセスなのです。

3. 物理的な「掃除」が組織のモチベーションを上げる理由

清潔な環境は、働く人の意識と行動を大きく変えます。

デスクが整然とし、オフィス全体が清潔に保たれていると、社員の集中力が高まり、仕事のパフォーマンスが向上します。

逆に、ホコリがたまり、書類が山積みになった職場では、モチベーションが低下し、無意識のうちに業務効率が落ちてしまいます。

また、「職場をきれいにする」という行動そのものが、企業文化を形成します。日々の掃除や整理整頓を通じて、社員一人ひとりが環境を整えることの重要性を実感し、主体的に業務改善に取り組むようになります。

さらに、物理的に会社の隅々まで手を触れることで、これまで見過ごされていた問題点に気づくことができます。
機器の故障の予兆や、安全管理の不備、業務フローの非効率な部分など、掃除を通じて潜在的な問題を早期に発見し、対策を打つことが可能になります。

このワンステップが、組織内の風通しを良くし、健全なチームワークを育てるのです。

社員が「自分たちの職場をより良くしよう」という意識を持つことで、コミュニケーションが活性化し、職場全体の士気が向上します。

環境の改善は、社員の意識改革の第一歩です。清潔な職場は、組織の団結力を高め、ポジティブな雰囲気を生み出し、結果として経営の改善が効果的に進むのです。

第3章：実際の成功企業事例

1. トヨタの5S実践

トヨタは、創業以来、世界一の自動車メーカーとして成長し続けてきました。その背景には、常に現場を改善し続ける「カイゼン」の精神と、その基盤となる「5S」の実践があります。

戦後、日本が経済復興を遂げる中で、トヨタは資源が限られた環境の中で最大の生産効率を追求しなければなりませんでした。そこで生まれたのが、「ムダを排除し、品質を向上させる」トヨタ生産方式（TPS）であり、その根幹にあるのが5Sでした。

5Sの徹底により、工場内の不要なものを排除し、必要なものを最適な場所に配置し、常に清潔な環境を維持することで、トヨタは驚異的な生産性と品質の向上を実現しました。

この取り組みは、単なる作業の効率化ではなく、従業員の意識改革や組織の風土形成にも大きく貢献しました。

この継続的な改善活動こそが、トヨタを「世界一品質の高い自動車を生産する企業」へと押し上げた要因の一つです。

トヨタの5Sは単なる作業手順ではなく、経営戦略として根付いており、今日に至るまでその哲学は受け継がれています。

2. 中小企業でも5S導入事例は豊富

大企業だけでなく、多くの中小企業も5Sの導入によって飛躍的な成長を遂げています。

限られたリソースの中で効率を最大化しなければならない中小企業にとって、5Sは「単なる整理整頓」ではなく、「企業を強くする戦略的なツール」です。

しかし、5S活動は決して簡単ではありません。
かなりの高難易度の取り組みです。

導入したものの、途中で挫折してしまう企業も少なくありません。
最初は意気込んで取り組んだものの、ルールが徹底されずに形骸化してしまったり、現場の理解が得られずに継続が困難になったりするケースが多いのです。

それでも、5Sを成功させた中小企業は数多く存在します。
こうした企業は、5Sを単なる業務改善の一環ではなく、「会社の文化」として根付かせることに成功しています。

結果として、社員の意識が変わり、職場の雰囲気が向上し、組織全体の生産性が向上するのです。

5S活動は確かに難易度が高い取り組みですが、それを継続し、定着させることができれば、企業の成長を大きく後押しする強力な武器になります。

3. 海外企業のオフィス改革

世界のトップ企業も、日本発の5Sの考え方を取り入れ、オフィス環境の改革に成功しています。

たとえば、

Google（アメリカ）

Google（アメリカ）では、オフィスの整理整頓を徹底することで、従業員の生産性を大幅に向上させました。物理的なスペースを最適化することで、社員同士のコミュニケーションが活性化し、アイデアの創出スピードが向上。シンプルで機能的なワークスペースを維持することが、イノベーションを生み出す原動力となっています。

ボーイング（アメリカ）

ボーイング（アメリカ）では、5S活動を積極的に取り入れています。航空機の製造現場では、非常に多くの部品や工具が使用されるため、整理整頓が不可欠です。5S活動により、作業効率の向上、品質向上、安全性の確保を実現し、高い信頼性を維持しています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン（アメリカ）

ジョンソン・エンド・ジョンソン（アメリカ）では、医療機器や医薬品を製造する企業として、特に清潔さを重視。5S活動を通じて、徹底した衛生管理を行い、高品質な製品を提供しています。医療現場で使用される製品を扱うため、清潔な作業環境を維持することは、企業の信頼性にもつながっています。

3M（アメリカ）

3M（アメリカ）では、多様な製品を製造する企業として、研究開発部門において5Sを導入。整理整頓された環境が創造性を高める要素とされ、効率的な研究開発体制を構築し、革新的な製品開発を支えています。

このように、5Sとは言わずとも、職場環境の整理整頓は製造業だけでなく、オフィスワークや知的労働の分野でも大きな効果を発揮します。整理整頓された環境が、個々の社員のパフォーマンスを高め、組織全体の効率を最大化するのです。

いまや、日本発の5Sは世界の企業経営に取り入れられ、その考え方が競争力向上の重要な要素となっています。整理整頓というシンプルな取り組みが、グローバル企業の成長を支えているのです。

第4章：整理整頓と掃除がもたらす未来の企業像

1. 強い組織の基盤となる適切な5S

整理整頓とは、単なる片付けではありません。
問題を「解決可能な形」に変え、実際に解決していく行動そのものです。

５Sを調べると
「整理」・・・捨てる
「整頓」・・・要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにする
のように定義されていますが、
これはトヨタの現場で機能するように考えられた定義であって、整理整頓の本質ではありません。

整理整頓の本質は「筋道を整え、障害を取り除くこと」
言い換えると「問題を解決可能な形に変えて、実際に解決行動をすること」です。

自分たちで問題に気づき、自らの手で解決していく。

このサイクルを回せる企業こそが、環境の変化に適応し続けられる強い組織と言えます。
整理整頓が習慣化された職場では、問題解決のスピードが向上し、社員一人ひとりが当事者意識を持ち、主体的に動くようになります。

このプロセスを通じて、社員同士の信頼関係が強化され、組織としての結束力が高まります。
「問題を共有し、解決する文化」が根付いた企業は、強固な基盤を持ち、どんな環境変化にも揺るがない強い組織へと成長するのです。

2. 変化に適応できる企業文化の構築

企業が成長し続けるためには、変化に適応できる組織文化を築くことが不可欠です。

そのために必要なのが、環境を常に整え、業務の流れをクリアにする5Sの適切な習慣化です。

整理整頓と掃除が徹底された企業では、現場の情報が明確になり、社員一人ひとりが状況を正しく判断しやすくなります。

不要なものを取り除き、業務の流れを最適化することで、意思決定がスピーディになり、変化に柔軟に対応できる組織が生まれます。

また、5Sの適切な習慣化は、「変化を前向きに捉え、即座に行動できる」企業文化を醸成します。
環境が整理されていることで、社員が自発的に課題を発見し、解決に向けて動けるようになります。

この積み重ねが、企業全体の適応力を高め、市場の変化に強い組織を作り上げるのです。

5Sを適切に取り入れた企業は、単に生産性が向上するだけでなく、状況に応じた素早い対応ができる柔軟な組織文化を育み、競争の激しい市場の中でも確実に成長を続けることができます。

3. 企業の持続的成長を支える

持続的な成長を遂げる企業に共通するのは、常に改善し続ける文化が根付いていることです。

5Sをすることで、無駄を削減し、業務の流れが最適化されるだけでなく、社員一人ひとりが「どのようにすればより良くなるか」を考え、行動する習慣が生まれます。

整理整頓が会社のあらゆる面で行き届いた環境では、トラブルの発生が減り、迅速な意思決定が可能になります。

さらに、不要な作業の削減により、創造的な業務や新しいビジネスチャンスに集中できるようになり、結果として長期的な利益向上につながります。

また、整理整頓が当たり前の企業では、従業員のモチベーションが向上し、仕事への満足度も高まります。

社員一人ひとりが快適な職場環境の中で、最大限のパフォーマンスを発揮できることで、企業全体の競争力が強化され、持続的な成長が実現されるのです。

4. 未来の働き方に対応するために

リモートワークやDX（デジタルトランスフォーメーション）が加速する現代においても、5Sの重要性はむしろ増しています。

デジタル環境における情報の整理整頓が不十分だと、データの散乱や業務の停滞を招き、結果として生産性の低下につながります。

クラウド上のファイル管理、デジタルツールの活用ルール、オンライン会議の運用方法など、デジタル空間でも5Sを徹底することで、無駄を省き、スムーズな業務フローを実現できます。

整理整頓の技術を持たない企業がDXを推進しようとしても、それこそ「崩れそうな土台の上に高層ビルを建てるようなもの」ようなもので、効果を発揮することはありません。

DXを有効に機能させるためには、まず業務プロセスを整理し、不要なものを削ぎ落とし、本当に必要な情報やシステムを適切に活用できる環境を整えることが不可欠です。

物理的な環境だけでなく、デジタル環境においても整理整頓を意識することで、変化に強い柔軟な働き方が可能になり、組織全体の生産性と競争力を高めることができるのです。

まとめ：令和型5Sが導く企業の未来

5Sを未来の企業経営に活かすために

これまでの5Sは、上層部が主導し現場に指示を下す「上から物申す」スタイルが一般的でした。
しかし、この方法では現場の納得感が得られず、形だけの取り組みに終わることも少なくありません。

特に、変化の激しい令和の時代においては、従来型の5Sが組織の成長に貢献しづらいケースが増えています。

ShineBrightが提案する5Sは、単なる業務の整理ではなく、「自ら問題を発見し、解決する力を養う仕組み」としての5Sです。

社員一人ひとりが整理整頓の技術を身につけることで、職場の問題解決速度を速め、問題の発生を根本から減らし、働きやすい環境を作ることができます。

5Sを「自律的な企業文化の構築」に活用することで、変化に強く、持続的な成長を遂げる企業へと進化できるのです。

未来へ向けた第一歩

5Sは、どんな企業でも今日から始められるシンプルな手法でありながら、その効果は計り知れません。

整理整頓と掃除を通じて、業務の流れをスムーズにし、社員の意識を改革し、企業全体の成長を促進する。

改善改革の初手として、その第一歩を踏み出すことで、あなたの企業も確実に変わることができるのです。

しかし、多くの企業が5Sに取り組みながらも、途中で挫折してしまうのが現実です。

「どこから手をつければいいのかわからない」
「現場の理解が得られない」
「続ける仕組みが作れない」

──こうした悩みを抱えている企業こそ、ShineBrightのサポートを活用することで、5Sを「自社の成長を支える仕組み」として確実に定着させることができます。

ShineBrightは、5Sを単なる整理整頓の技術としてではなく、「複雑に変化する未来に対応できる企業文化の土台」として活用するための支援を提供しています。

社員が自発的に動き、問題解決のスピードを向上させ、職場の快適さと生産性を両立できる仕組みを整えることで、企業全体の成長を促進します。

私たちと一緒に、5Sを活用して「働く幸福を感じる会社づくり」を進めてみませんか？

あなたの企業の課題をお聞かせください。ShineBrightが提唱する令和型の5Sを経営戦略として活かし、企業の未来をより良いものにするお手伝いをさせていただきます。

お悩みを解決できる理由

ゼロからのチームビルディング その１　～はじめの一歩は、信頼の獲得から　～

職場でのチーム練習が、日本の伸びしろだ！

5S活動の目的とは？