令和の5Sブログ

成功したいなら上機嫌な組織を造ろう

上機嫌な組織を造るには「決め方」を練習しよう

現代社会において、組織や社会全体がどのように意思決定を行うかは、その成功や幸福感に大きな影響を与えます。しかし、残念ながら多くの組織では、効果的な決め方や意思決定が十分に機能していないのが現実です。これは、単なるコミュニケーション不足やリーダーシップの欠如にとどまらず、組織文化や社会全体の習慣に深く根ざした問題です。この記事では、意思決定がなぜうまくいかないのか、その背景にある問題点を探り、さらに上機嫌な組織や社会を創るための具体的な方法を提案していきます。

なぜ意思決定がうまくいかないのか

1. 発言しない人たちの影響力

会議や組織内での意思決定の場において、意見を述べないメンバーが、後になって裏で不満を抱き、決定された内容を覆そうとする行動は、非常に多くの組織で見られる問題です。このような「裏口行動」がまかり通る組織では、表向きの議論や決定が無意味になり、組織全体の信頼性が損なわれます。

例えばですが、私の中学生の娘が憤慨していたことがありました。話を聞くと「演奏会の演目について会議で発言しなかったメンバーの意見が、会議ではない場所で先生に働きかけて会議決定が覆った。」とのことでした。このような出来事は、組織の一体感を損ない、健全な意思決定を阻害する大きな要因となります。リーダーがこのような裏口行動を承認すると、組織全体が不信感に包まれ、全員が納得する決定を下すことが一層難しくなります。

裏口行動が蔓延する環境では、正直に意見を述べることが馬鹿らしいと感じるメンバーが増え、結果として組織文化は不健全なものへと変質していきます。正面からの議論が軽視され、裏での駆け引きが主流になると、組織は生産性を失い、メンバーのモチベーションも低下します。

2. ダブルバインドがもたらす矛盾

日本社会や組織において、「正直」が建前として美徳とされていますが、実際には裏口行動が横行し、事実上容認されている場面が少なくありません。このような矛盾した状況は、ダブルバインドと呼ばれる心理的な圧力を引き起こします。ダブルバインドは、相反する指示やメッセージを同時に受け取り、どちらを選んでも問題が生じる状況を指します。例えば、「自分で考えてやっていいよ、でも私の期待通りにしてね」という矛盾した要求です。この状態は、特に心理的な混乱やストレスを引き起こすことがあります。特に正直な人々に深刻なストレスを与えることになります。

ダブルバインドの環境で育った人々がリーダーになると、その矛盾した価値観や行動がさらに次の世代に伝播し、裏口行動が当たり前のように受け入れられてしまうリスクがあります。これが連鎖することで、組織や社会全体が不健全な方向へ進んでしまうのです。

例えば、ある企業では、表向きには「オープンなコミュニケーション」を掲げているにもかかわらず、実際には決定権を持つ人物の独断で物事が決まるケースが多々見られます。こうしたダブルバインドの状況下では、メンバーは表向きの議論に参加しても結果が変わらないと感じるようになり、次第に議論に対する意欲を失っていきます。このような環境は、組織全体のモラルを低下させ、不信感を増大させる要因となります。

3. 話し合いの技術の欠如

多くの組織では、「話し合いで解決できる」と勘違いしていることが少なくありません。実際には、話し合いの方法や決め方を知らないまま、会議やミーティングが進行している場合が多いのです。このような状況では、声の大きい人や圧力をかける人の意見が優先されがちであり、これが組織内で有効な意思決定を阻害する大きな原因となります。

また例えば、ある組織では、リーダーが話し合いを進める際に、メンバーの多数決で施策を決定しようとする場合があります。多数決を用いると、少数意見が無視され、重要な視点や創造的な解決策が見落とされる可能性があります。企業においては、多数意見が正しいわけではありません。そもそも多数決で決めるのは、リーダーの責任逃避です。このような状況では、効果的な意思決定が行われていないため、チーム全体のモチベーションが低下し、生産性も著しく低下します。

日本社会におけるダブルバインドの影響とその問題

日本社会では、建前として「正直」が推奨されている一方で、実際には裏口行動が容認されている場面が多く見受けられます。このような矛盾した状況は、ダブルバインドを生み出し、多くの人々にストレスや不満を引き起こす要因となっています。

何度も申し上げますが、ダブルバインドの環境で育った人々がリーダーになると、その矛盾した価値観が組織全体に広がり、裏口行動が常態化するリスクが高まります。このような状況が続くと、組織や社会全体が不健全な方向に進んでしまう可能性があります。

また、裏口行動が横行する組織や社会では、正直者が馬鹿を見る状況が生まれやすくなります。例えば、会議や議論の場で正直に意見を述べた人が、その後の裏での工作によって自分の意見が無視されたり、逆に攻撃されたりすることがあります。このような環境では、正直な意見を述べることがリスクとなり、結果として組織全体が不健全なものへと変質していくのです。 裏口行動が横行する社会では、決定されたことが覆されることが多く、その結果として生産性が低下し、組織全体の士気も低下します。このような環境では、決められたことをやりもしないで覆そうとする行動がまかり通り、結果として不満が蓄積されやすくなります。企業の大小にかかわらずそういう事例はよく見られます。

話し合いの技術と決め方の重要性

多くの組織では、話し合いが形式的に行われることが多く、実際には効果的な意思決定が行われていないことが少なくありません。特に、声の大きい人や圧力をかける人の意見が優先される傾向があり、これが組織内での意思決定を阻害する要因となっています。

私たちは、話し合いができていると思っていることが多いですが、実際にはそれが形式的なものでしかなく、実質的な問題解決には至っていないことが多いです。話し合いの方法や決め方を知らないまま、会議やミーティングを進めることが、組織の生産性を低下させる原因となっています。

話し合いの技術を持たないリーダーが指導する組織では、メンバー全員が納得する意思決定を行うことが困難です。その結果、組織は非効率的になり、生産性が低下し、組織全体の士気も低下してしまいます。

上機嫌な組織や社会を創るために

1. 正しい意思決定の方法を学ぶ

まずは、組織全体で意思決定の方法を学び、それを実践することが重要です。これには、全員が意見を述べ、共通の理解を得た上で決定を下すためのコミュニケーション技術が必要です。意思決定を行う際には、全員が納得できる形で話し合いを進めることが求められます。

意思決定のプロセスを明確にし、全員がそのプロセスに従うことで、組織内での不満を減らし、より健全な環境を作り上げることができます。

2. 結果に基づいたフィードバックを重視する

一度決まったことをやってみて、その結果を見て評価分析することが大切です。結果が悪ければ、次の方法を試すことができるという前向きな姿勢を持つことで、組織や社会はより健全で建設的な方向に進むことができます。

例えば、あるプロジェクトで新しい手法が思ったほどの成果を上げなかった場合、その手法を一旦見直し、改善点を探るプロセスが重要です。このプロセスを重視することで、メンバー全員が責任を持って行動し、結果に基づいて次のステップを考える姿勢が養われます。

3. リーダーの役割を再定義する

現実社会には、正解がない状況が多々あります。そのような状況で必要なのは、答えがない中でも進める方法を知っているリーダーです。チームや組織を前に進めるためには、リーダーがメンバー全員の意見を尊重しつつ、適切な判断を下す能力が求められます。

リーダーは、独裁的であろうとフラットであろうと、その組織にとって最適な形を見極め、それに従って意思決定を行い、それを守り抜くことが重要です。

例えば、あるリーダーが独裁的な意思決定を行う際に、チームのメンバーがその決定に納得していない場合、そのリーダーはメンバーとのコミュニケーションを通じて意見を調整し、最終的な決定がチーム全体にとって最適であることを確認する必要があります。これにより、チーム全体が同じ方向に進むことができ、組織の目標達成に向けて効果的に機能するようになります。

4. 決め方を練習する

最も効果的な解決策の一つは、決め方をチームで練習することです。決め方の練習を通じて、メンバー全員が納得できる方法を模索し、実行に移すことができます。これにより、組織全体がより快適で幸福な時間を過ごすことが可能になります。

例えば、あるチームが新しいプロジェクトを立ち上げる際に、初めてのミーティングで決定の手順を練習することが有効です。全員が意見を述べ、どのようにして合意に達するかを練習することで、実際のプロジェクト進行中に発生する問題をスムーズに解決できるようになります。

決め方を練習することで、組織内のコミュニケーションが円滑になり、メンバー全員が協力して目標に向かうことができるようになります。

まとめ:上機嫌な組織や社会を目指して

私たちが上機嫌な組織や社会を創るためには、まずは意思決定の方法を見直し、練習を重ねることが必要です。裏口行動や不健全なダブルバインドから脱却し、正直で建設的なコミュニケーションを通じて意思決定を行うことが求められます。

意思決定のプロセスを学び、実践し、結果に基づいてフィードバックを行うことで、組織や社会全体が生産性を高め、幸福感を共有できるようになるでしょう。上機嫌な組織や社会を創るためには、決め方を練習し続けることが欠かせません。それが、私たち全員が快適で幸福な時間を過ごすための第一歩です。

私たちが目指すべきは、自分たちで決めて自分たちでやってみる、そして答えがない中でも、自分たちで次のステップに進むという健全なプロセスを持つ組織や社会です。上機嫌な環境を作り上げるために、今こそ決め方を見直し、改善していきましょう。それが、私たち全員が快適で幸福な組織や社会を実現するための鍵となるのです。もしも早く何とかしなければと思うものの、どこから手を付けたら良いか、どうして行ったら良いのか、などわからないことや不安がある方は、遠慮なくShineBrightにご相談ください。

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今回の記事の中で職場での練習の重要性について書いていますが、その詳細の記事もご参考ください

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