令和の5Sブログ

チームを最適化できない日本企業に共通する大問題

「職場は試合の場で、練習をする場ではない」は正しいといえるか?

「職場とは成果を上げる場であって、練習をする場ではない。スポーツでいえば、試合をする場なのだから、自分の実力が足りなければ、試合に臨む前に自ら練習し、腕を磨いておくものだ」

これはネットで見かけたある経営者の見解です。

 この見解に「その通り」と同意する経営者の方は多いのではないでしょうか。

 私は、この見解には賛同できる点もありますが、多くの点で反対です。一番まちがっていると思う点は、そもそも「チームの時間を試合だけに使うプロスポーツチームなんて地球上に存在しないよ」ということです。

 確かに、職場は成果を上げる場という見解に同意します。しかし同時に、職場での練習は欠かせません。さらに言えば、仕事の中に練習の要素を取り入れることこそが、チーム全体の効率と成果を最適化します。よく観察すると「職場はスポーツでいえば試合する場」という認識には致命的な穴があることがわかります。

 今回のブログでは、日本の組織に練習が絶対に必要な理由と具体的な練習内容を分かりやすくお伝えします。

「職場とは成果を上げる場であって、練習をする場ではない」がダメな5つの問題点

問題点1 「職場は、スポーツで言えば試合の場」この例えは適切なのか?

問題点2 会社の成果は誰の成果なのか?

問題点3 練習しないでチームが機能する職場になるのか?

問題点4 仕事に必要な実力とは?

問題点5 職場以外で、いつ練習するのか?

次から順番に解説をしていきます。

「職場は、スポーツで言えば試合の場」この例えは適切なのか?

  スポーツを経験したことがある人なら、試合だけの環境が現実的でないとご理解いただけるのではないでしょうか。試合という本番の舞台に立つためには、練習や準備が不可欠です。「練習」「準備」「試合」これらすべてを含めてスポーツ活動です。「練習」「準備」をしないで「試合」に臨んでも勝つ確率は上がらないし、試合そのものの楽しさも感じられず、試合をし続けることに身も心も疲れてしまうでしょう。

 同様に、どんな仕事でも成果を上げる本番に備えて準備が必要です。例えば飲食業なら、仕入れや仕込み、清掃などの準備があってこそ店を開け、お客様に食事を提供して売上という成果を上げるのです。お店を開けてお客様に食事をしていただいている時間が「試合」だとすれば、良い試合をするためには「準備」「練習」が欠かせません。業種によっては「試合」が、接客やプレゼンかもしれませんし、サービスの提供や製造、商品販売ということも考えられます。

 実際の職場の成り立ちを考えると、「職場とは成果を上げる場であり、練習をする場ではない」という考え方は現実に即していません。むしろ、「職場とは成果を上げるための場であり、スポーツで言えば試合で目標とする成果を手にするための場です。だからこそ、試合に臨む前に目標達成のために必要な練習と準備は欠かせません。練習、準備、試合のすべてを含めて仕事であり、それを行う場が職場です」と考えるのが自然です。

 「職場とは成果を上げる場であり、練習をする場ではない」と言って試合ばかりを続けている会社が今どうなっているかは分かりませんが、予想するに人の入れ替わりが激しく、業績が良かったとしても内部は身体も心も疲弊していることでしょう。

 このように、職場の本質を理解すれば、練習と準備がいかに大切かがわかると思います。会社というチームが持続的に高い成果を上げ続けたいと願うならば、むしろ仕事として練習と準備をする環境を整えるべきだと思います。

会社の成果は誰の成果なのか?

 1人でもスタッフがいる会社であれば、仕事の成果はチームプレイの結果です。会社としてチームで仕事に取り組む場合、成果はチーム全体の成果といえます。確かに各メンバーの活躍度合いは、その時の事情や適性によって左右されることがあります。しかし、たとえ活躍度合いがあるメンバーに偏っていたとしても、チームの成果は特定の個人の成果ではありません。個人の成果にしたいならば、個人で事業をすればよいのです。会社として人件費を払うか、個人として外注費を払うかの違いです。成功も失敗も全部自分の責任だと理解する必要もなく身に沁みます。

 反対に、会社組織としてチームで仕事をすることを選択したならば、優れた社員の足をダメな社員が引っ張っているような捉え方をすると、チームは機能しなくなります。これは陥りやすい思い込みなので、今すぐにやめましょう。ダメな社員とレッテルを貼るのではなく、結果はチームとして受け止めた上で、各員の貢献度合いを鑑みて、チームが機能するように良い塩梅で社員に配分すればいいことです。

 チームのメリットは、チームワークを高めると、個人個人の集まりより何倍もの成果を得ることができる点です。スポーツで言えば、陸上の100m×4リレーの日本チームが良い例かもしれません。個人個人のタイムではけっして優位とは言えない日本チームが、オリンピックで銀メダルを獲得できたりします。それは明らかにチームとしての連携を他国以上に高めた結果です。会社としてチームで仕事をすることにも通じます。

 冒頭で紹介したある経営者の認識では、失敗をしたらその特定社員の責任だと思っているようです。その社員が職場以外での練習や準備が足りないせいだと。しかし、私はそれも含めてチームのマネジメントの責任であり、チームの責任者である経営者の責任だと思います。スポーツチームで例えるならば、球団や監督の責任ということです。野球やサッカーなどのチーム競技の場合ならば、個人個人の能力は大切ですが、その個人個人がチームとしていかに機能するかがもっと大切です。1人のスーパースターだけでは長いシーズンを戦えないし、たとえスーパースターを集めてもチームとしてのパフォーマンスが悪くなることもあります。それは選手一人一人の責任ではありません。マネジメントの責任です。

 会社としてチームで働く以上、チーム全体で成功や失敗を共有し、協力して成果を最大化する姿勢が求められます。特定の個人に責任を押し付けるのではなく、チーム全体で支え合いながら成長していくことが、持続的な成功には必須です。ビジネスにおいて、明日の試合に1回勝てれば今後の全てがOKなんてことはないはずです。持続してこそ関わる人の幸せに寄与できる事業といえると思います。

練習しないでチームが機能する職場になるのか?

 冒頭のある経営者の見解で「職場とは成果を上げる場であって、練習をする場ではない。スポーツでいえば、試合をする場なのだから、自分の実力が足りなければ、試合に臨む前に自ら練習し、腕を磨いておくものだ」という意見がありました。この見解は、練習を否定するものではなく、練習は職場以外でプライベートな時間を使ってやるべきものだという意見です。

 その意見は、労働時間が適正で社員がプライベートで使える時間がしっかりと確保されている会社ならば、妥当な部分もあるかもしれません。しかし労働過多な環境だとしたら、理不尽な話です。「寝る時間を削れば、なんでもできる」的な発想であるとすると、どんなに報酬が大きくても、メンバーの人生を搾取する事業です。そこで働くかどうかは各自の判断でお願いします。現代日本社会では、多くの社員は、仕事と家庭の両立に追われており、職場以外で練習する時間を確保するのは現実的ではありません。健康を害する環境を受け入れたとして、その代償に得られるメリットはほとんどないと思います。

 幸いにもプライベートで練習に使える時間がしっかりと確保されている会社だったとして、必要な練習には2つの種類があります。それは個人練習とチーム練習です。

 個人練習とは、野球で例えれば、バッティングやピッチングのフォームを改善したり、体力を増強したりするための自主トレーニングです。仕事においても、新しいスキルを習得するためのオンライン講座や、自分の専門分野に関する最新の知識を得るための読書などがこれに該当します。これらの練習を通じて、個人としての能力を高めることができます。

 一方で、チーム練習も不可欠です。チーム練習とは、野球で例えれば、ダブルプレーの練習や、サインプレーの確認など、チームとしての連携を強化するための訓練です。

 仕事においては、チームの成果を最大化するために、コミュニケーションが重要です。定期的なミーティングや情報共有を通じて、各メンバーが状況や課題を把握し、迅速に対応できるようにすることが求められます。そのためには、お互いの強みを理解し協力しあうための効果的な練習が必要なわけです。

 ここからが日本のあらゆる組織が抱える問題です。仕事に必要な練習とは個人練習だけだと思い込んでいることです。仕事におけるチーム運営に必要なコミュニケーション能力や適切な合意形成、意思決定など、チームが課題を解決していくために必要な技術を「練習」の対象とはまったく考えていません。研修を通して学習することはあっても、日々練習することはしません。

 なぜだか我々は、和の国の住人として、誰もがチームの仕事に必要なコミュニケーション等の技術を自然に身に着けているはずと勘違いの思い込みをしているのです。ところが事実は、家庭でも学校でも職場でも、誰もそれらの技術を知らないし、練習もしていないのが普通です。

 その結果、適切なチームのマネジメントに必要な技術が使えない人が上司になり、その技術が使えないメンバーをマネジメントしているのが、多くの会社でよく見かける光景です。それは企業の大小を問わずです。家族でも部活でも職場でも同じですが、所属するチームがチームとして機能している状態を体感したことがない人がほとんどなので、仕方のないことかもしれません。勉強ができるとか学歴が高いとか一流企業に勤めた事があるとか、まったくあてになりません。チームを機能させる技術を知っていて使えるかどうかです。

 多くの上司にとって、適切なチームマネジメントなんて出来るわけがありません。だって誰も練習なんてしたことがないのですから。練習もしたこともないのにある日突然、上司としての本番が始まるのが普通なのです。多くの上司と言われる人がただ自己流でチームのマネジメントに向き合い、うまくいく場合もあれば、うまくいかない時も多いというのが事実ではないでしょうか。

 どんなことでも練習しないで効率よく出来るようになるなんてありえるでしょうか? チームのマネジメントやコミュニケーションだって同じはずです。チームワークが有効に機能するためには、当然チームワークの練習が必須なのです。そんな最重要な事柄を私たちは無視し続けてきたのです。これは私たちにとって本当に大切な気づきです。

仕事に必要な実力とは?

 仕事に必要な実力とは、一体何でしょうか?

 もちろん個々の技術的なスキルや専門知識などの実力は絶対です。しかし、実際の職場では、技術的なスキルや知識はもちろん重要ですが、それだけではなく、チームで効率よく協力するためのコミュニケーション能力や問題解決能力、そしてリーダーシップも個々の実力と同じく絶対に必要な実力です。

 日本の職場においては、これら2つの実力のバランスが、個々の実力のみに偏っていていびつです。

 どういうことかというと、すべての問題を個々の実力の不足という観点から考えがちだということです。わかりやすい例でいうと、チームの仕事で失敗があった時に「誰のせいなんだ?」と個の責任の追及ばかりをする傾向などです。

 リーダーシップや進捗支援など、チームをマネジメントする技術が十分でない可能性はあまり追及されません。現実には、こちらの方が影響が大きいことが多いという気がしますが。

 個のスキルも重要、チームのスキルも重要。そして、そのどちらも練習が重要。スポーツでも職場でも、それは同じだと思いませんか?

職場以外で、いつ練習するのか?

 前述のように、職場外での練習時間を確保するのは現実的ではありません。特に、日本の多くの企業では長時間労働が常態化しており、プライベートな時間を十分に確保することは難しい状況です。そうなると、必然的に職場内での練習が重要になります。

 しかし、ここでいう「練習」とは、単に個々のスキルを磨くことだけではありません。チーム全体での連携やコミュニケーション、そして問題解決のための実践的な練習も含まれます。これらの練習は、職場で業務として行われるべきです。

 特にチームに関する日常的な練習は、職場以外では無理です。スポーツでもチーム連携の練習は実際のコートやグラウンドでするのと同様です。さらにいうとチームの連携に関しては、研修では不十分です。研修は情報や技術の伝達をするだけで、継続的な練習ではありません。研修だけでチームに必要な技術が使えるようにはならないことは、多くの方が経験しているのではないでしょうか。

 実際にチームが効率的に機能するためには、業務の中に日常的に練習を取り入れる必要があります。ここまではおわかりいただけたでしょうか。

 職場で業務中に練習をするにはどうしたら良いかというお話は別の記事で詳しく紹介したいと思います。記事のアップをお待ちください。

まとめ 「チーム練習は日本企業の伸びしろ」です

 「職場は成果を上げる場であり、練習をする場ではない」という見解は、一見もっともらしく聞こえますが、実際には多くの問題を内包しています。職場での練習や準備が欠かせないことは明白です。チーム全体で協力し、チームスキルを磨くためには、職場内での実践的なチーム練習が不可欠です。

 日本の職場の99%は、チーム連携の重要さと必要性を認識していると思います。しかしその99%の職場が、チーム連携を使いこなすための練習をしていません。逆に考えると、日本の職場の伸びしろは半端ないのではないでしょうか。チーム練習をして、チーム連携がうまく使いこなせるようになれば、労働人口の減少、離職の不安、採用の難しさ、これらの有効な解決策になるでしょう。チームが有効に機能する職場は、不安や嫌なことは少なく、成長や良い人間関係などの幸せを感じる要素が多い、そういった職場になります。今はまったくの手つかずといって良い、チーム練習という伸びしろしかない方法をあなたの職場にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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