令和の5Sブログ

言行不一致の上司は、100%組織を壊す … “言ってることとやってることが違う”が危険な理由

1. そのリーダー、本当に信頼できますか?

「昨日と言っていたことが、もう違う」
「会議で決めた方針を、自分は守っていない」

そんなリーダー、あなたの周りにいませんか?
もしかしたら――あなた自身が、その立場にいるかもしれません。

私自身、そうした場面に何度も遭遇してきました。
その瞬間は、怒りでもなく、悲しみでもなく、ただ力が抜けていくような──静かにやる気が消えていく、あの残念な感覚が訪れます。

初めての1回目だけなら「ちょっとしたズレ」で済むかもしれません。
しかし、それが繰り返されると、職場の空気はあっという間に濁り、組織は確実に機能不全に陥ります。
しかもこれは職場だけの話ではありません。
家族でも、企業でも、友人関係でも──あらゆる「人が集まる場」に共通して起きる現象です。

そして残念ながら、この“言ってることとやってることが違う”状態は自然には直りません
放置すれば、静かに、しかし確実に、信頼と成果を食いつぶし、人間関係や組織から活力を奪っていきます。

なぜ、これほど危険なのか?
次の章で、その理由を3つに分けてお話しします。

2. 言行不一致が組織を破壊する3つの理由

① 信頼の崩壊

人は『言葉』よりも『行動』のほうを、何倍も強く記憶し、印象に刻みます。
そして現実を変えるのは言葉ではなく、行動だけです。

行動によって生まれた現実の変化だけが事実であり、
言ったことと起きた現実が違うのは、端的に言えば「ウソ」をついたことになります。

「ウソ」をつかれた人が、その人を信頼したり、リスペクトすることは絶対にありません。

さらに厄介なのは、組織や家族の中でパワーを持った人が やると、周囲も本人も「ウソをついた」という認識を持たないことです。

その場はやり過ごせるかもしれません。
しかし「ウソをついた」という事実は、静かに、しかし確実に、信頼関係をゼロにします。
一度ゼロになった信頼を、再び積み上げるのはほぼ不可能です。

組織にとって信頼は、組織をつなぐ“腱”のような存在。
腱が切れれば、どれだけ骨(仕組み)や筋肉(人材)があっても動けません。

だから、信頼を崩壊させる上司は、100%組織を壊すのです。

② モチベーションの低下

人は「やっても無駄だ」と思った瞬間、行動のエネルギーを失います。

リーダーが言ったことが現実にはならないことを知った部下は、こう感じます。

「どうせこれは実現しない」
「結局、その場しのぎなんだ」

特に、真面目で成果を出そうとしている人ほど、この落差に傷つきます。
努力の方向が正しいのか分からなくなり、力を出す意味を見失ってしまうのです。

これは単なる気分の問題ではありません。
モチベーションは組織における「推進力」そのものです。

車に例えるなら、信頼が「腱」なら、モチベーションはエンジンの燃料です。
どれだけ優れたドライバー(人材)や整備された車体(仕組み)があっても、燃料がなければ前に進めません。

そして、リーダーの言動不一致は、その燃料タンクに穴を開け、ドバドバと漏れさせていきます
漏れた燃料は戻せません。

だから、モチベーションを奪う上司は、確実に組織の前進を止めるのです。

③ 離職の加速

優秀な人ほど、自分の力を正しく評価され、活かせる環境を求めます。
しかし、言っていることとやっていることが違うリーダーのもとでは、その環境は存在しません。

方針が変わるたびに評価基準も変わり、努力が無駄になる。
リーダーの言葉を信じて行動した結果、裏切られる。
そんな経験を繰り返せば、有能な人ほどこう判断します。

「ここにいても、自分は成長できない」

これは人材の自然な自己防衛です。
残るのは、現状維持を望む人か、諦めて惰性で働く人だけ。

組織にとっての離職は、単なる人数減ではありません。
それは心臓から血液が抜けていくようなものです。
どれほど強い筋肉(人材)や骨(仕組み)があっても、血液が失われれば動けません。

信頼の崩壊が静かに組織を侵食し、モチベーション低下が燃料をドバドバと失わせ、
最後に訪れるのがこの「血液の流出」です。
だから、優秀な人を去らせる上司は、確実に組織の生命力を奪うのです。

信頼、モチベーション、そして人材 ・・・。
この3つを同時に失う組織は、どれだけ立派な仕組みがあっても崩れ落ちます。

では、なぜリーダーは自ら信頼を壊すような行動を取ってしまうのか?
その原因を次に見ていきましょう。

3. なぜ言行不一致は起こるのか?

厄介なのは、言行不一致をする上司は、「自分が言行不一致だ」という自覚がないことです。彼らの中では、言葉と行動は“ちゃんと一致している”つもりなのです。

私が多くの現場で見てきた経験から、その理由は大きく3つに分けられます。

① 言行不一致という認識がない

自分の発言と行動のズレに気づいていないケースです。

頭の中の理想と、実際に取っている行動の差をモニタリングする習慣がないため、「ズレ」を指摘されてもピンときません。

それは、言行を一致させることの価値を、まだ体験したことがないからです。
こういった方の割合は意外に多いと思います。

② 自己保身が最優先

 組織の成果より、自分の立場や評価を守ることを第一に考えるタイプです。

この人にとっては「自分が安全であること」が最も重要で、方針や約束は二の次。
困ったことに、そのことに疑問を持つことはありません。

組織の成果が自分の満足につながる成功体験が、今までなかったのかもしれません。

③ それに疑問を持たない

 さらに厄介なのが、自己保身が「おかしい」という感覚すらないタイプ。

その結果、「方針変更」や「例外対応」への罪悪感が薄く、組織に与える悪影響にも気づきません。
本人は常に“正しいことをしている”つもりなのです。

自覚がない、自己保身、疑問を持たない・・・。
これらの背景を持つリーダーが、現場でどんな破壊を起こすのか?

次の章で、実際の瞬間を見てみましょう。

4. 言動不一致が組織を壊す瞬間

リーダーの言葉と行動がズレると、その瞬間から組織の空気は静かに、しかし確実に変質します。
ここでは、実際によくある3つのケースを見てみましょう。

ケース1:責任転嫁

不明確で不適切な指示が原因だったにもかかわらず、
本人は一切それを認めず、部下の注意不足や確認ミスのせいにした。

この瞬間、メンバーは「どうせ何をしても責められる」と悟ります。
そして、言われたこと以外には動かない人ばかりが増えていきます。

ケース2:意味不明な優先順位

「まずはこれを最優先で進めよう」と全員に指示したにもかかわらず、
数日後には「あれは後回しでいいから、こっちをやってくれ」と突然の方向転換。

この瞬間、メンバーは「どうせまた変わる」と感じます。
結果、最初から全力を出さず、様子をうかがう癖が組織に根づきます。

ケース3:言葉だけの改革宣言

「現場の意見を大切にする」と宣言しながら、
実際の会議では反対意見や提案を即座に否定。この瞬間、メンバーは「意見なんて言うだけ無駄」と学びます。
その結果、発言は減り、表面的な同意と沈黙だけが会議室に広がります。

言行不一致が、停滞した職場を生む

こうした“言動不一致”は、一度や二度でも組織に深い傷を残します。
言葉と行動のズレは、メンバーの信頼を静かに奪い、
挑戦も改善も起こらない、停滞した職場をつくり上げてしまうのです。

こうして信頼はあっという間に失われ、空気は変質していきます。では、その信頼崩壊は具体的にどんなプロセスをたどるのか――5章で明らかにします。

5. 信頼が崩れるプロセス

言行不一致による信頼崩壊は、いきなりではなく段階的に進みます。

  1. 小さなズレ(あれ、言ってたことと違うな?)
  2. 疑念(もしかして口だけ?)
  3. 諦め(どうせ変わらない)
  4. 無関心(期待しない)
  5. 離脱(ここにいる意味はない)

あなたの職場は今どの段階ですか?
この流れが一度始まると、止めるのは簡単ではありません。

そして、このプロセスを逆転させるには、単なる励ましやスローガンではなく、信頼を回復するための具体的な技術が必要になります。

では、その技術とは何なのか?
次の章で、ShineBrightが現場で使い続けてきた「言動を一致させる3つの整え方」をご紹介します。

6. 【ShineBright式】言動を一致させる3つの整え方

信頼を回復し、維持するために、
ShineBrightでは、「整理」を単なる片付けや見た目の話ではなく、課題を解決できる形に整える技術と定義しています。
言行不一致をなくすためには、この技術を使えるようにするのが最適です。

1.小さく分ける

 大きな方針や目標を、今すぐ確実に実行できる行動単位まで分解する。
 (例:いきなり「残業ゼロ」ではなく、まずは「会議の終了時刻厳守」から)

2.行動の進捗がわかるように見える化する

誰が見ても「やった/やっていない」が分かる形にする。
 (例:方針や決定事項は必ず共有文書化し、期限と担当者を明記)

3.進捗の共有を定例スケジュール化

  行動の進捗を週1回は共有できるようにスケジュール化し、ズレをその都度修正する。
 (例:定期ミーティングの冒頭5分を「前回の約束の実行確認」に充てる)

7. まとめ:言動一致は組織の「信頼資本」を守る最強の武器

「言っていること」と「やっていること」が一致しないリーダーは、必ず信頼を崩し、組織の成長を止めます。
しかもその崩壊は、一気ではなく段階的に進み、気づいたときには元に戻すのが難しくなります。

だからこそ、必要なのは意識だけではなく、仕組みとして言動を一致させる技術が必要です。
ShineBrightの「整える技術」は、そのための具体的な3つのステップ――

ステップ1 今すぐ確実に実行できる行動単位に分ける
ステップ2 行動の進捗がわかるように見える化する
ステップ3 進捗の共有を定例スケジュール化する

この3つのステップで、現場のズレを早期に発見し、修正し続けることができます。

言葉と行動の一致は、リーダーの“誠実さ”そのものです。
そして、ズレを整え続ける姿勢は、組織にとって最大の信頼資本になります。

「言っていることとやっていることを同じにすること」こそ、幸せな職場環境をつくるアチチュードである。

このアチチュードを持つ組織は、安定しながらも継続的に成長し、成果と信頼が自然に循環します。
今日からできる一歩は、発言する前にこう自問することです。

「これは、自分が本当に約束できることか?」

その一瞬の確認が、信頼を守り、未来を動かす始まりになります。
小さな一歩を迷わず踏み出してください。
あなたのその歩みが、職場を、そして関わる人の未来を確実に変えていきます。

「もし、あなたの“なんとなくの悩み”を一緒に整理したいと思ったら、
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