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「期待しているぞ」そう声をかけられた社員は、一瞬うれしそうに笑顔を見せます。しかし数週間後──成果が出なければ「期待していたのに」と責められ、成果が出ても「俺の期待通りだな」と上書きされる。
結局、社員には「どちらに転んでも自由はない」という感覚だけが残り、やる気は削がれ、組織は静かに停滞していきます。
同じようなことは家庭でも起きています。「心配だから」と子どもの選択を止める。「期待しているから」と自由を奪う。どちらも愛情の言葉に見えて、実際には相手をコントロールしたい“呪いの言葉”です。
経営者が口にする「心配している」「期待している」も、これと同じ構造を持っています。善意に見えるその言葉が、組織の成果を静かに奪い、自走型組織の芽を摘んでいる──そう考えたことはあるでしょうか?
心配や期待が湧き上がるのは、確かに自然なことです。大切な人のことを思えば、心は動く。
しかし絶対に忘れてはいけないのは──心配や期待は、すべて自分の心の内側だけで起きている出来事にすぎない ということです。
相手には何の関係もありません。それは単に、リーダー自身の内側だけで起きている体験にすぎないのです。
そして心配や期待という行為の中には、必ず二つのものが潜んでいます。
◇ 他人をコントロールしたい欲求◇ 自分の欠乏感を満たしたい依存心
これらは、社員や子どもの自由や主体性を奪い、リーダー自身の安心のために相手を利用しているにすぎません。
ここからが本当に大切な話です。
「あなたのことを心配しているから」「期待しているから」「あなたのことが大切だから」
こんな理由さえあれば、私には相手に口を出す権利がある──そう思っていないでしょうか?
断言しましょう。そんな権利は1ミリたりとも存在しません。
あなたが心配したからといって、相手がその通りに行動する義務はない。あなたが期待したからといって、相手がそれに応える責任もない。
感情では、権利は生じない。成果も生まれない。それは鉄則です。
相手があなたの心配どおりになっても、期待を裏切っても、それを“口実”に責め立てる資格など、そもそもないのです。
心配や期待の言葉の裏には、たいてい「コントロール欲」が隠れています。しかもやっかいなのは、それが「良心の衣」をまとっていることです。
「あなたのためを思って」「大事に思っているから」
こうした言葉は一見愛情に聞こえますが、実際には自分の不安や欠乏感を処理させるための支配です。これは組織にとって最も幼稚で危険なコントロールのかたちです。
ルールや権力による指示ならまだ潔さがあります。だが、心配や期待を使った支配は見えにくく、分かりにくい。だからこそ卑怯で、幼稚で、組織を壊すのです。
親が「心配だから」と言いながら子どもの選択を制限する。「期待している」と言いながら、子どもの自由を奪う。それは成長を促すどころか、子どもの自信を奪い、未来を狭める呪いになる。
結局「私の言った通りにしてほしい」という、親の欲でしかない。
リーダーや上司が「期待している」と口にするときはたいがい、結果が出れば「俺の期待通り」と成果の上書き、結果が出なければ「期待していたのに」と責められる。
上司だけは元気で、仕事をしている雰囲気を出す一方、メンバーは疲れ果て、表情が死んでいく。経営者は気をつけなければならない。こうしたリーダーを放置すれば、組織は静かに、しかし確実に壊されるのです。
SNSでも同じことが起きています。「心配だから」「期待してるから」──そんな一見“善意のアドバイス”に見える投稿も、実際には相手に罪悪感を植え付け、行動をコントロールする卑怯な手口にすぎません。
応援や感謝なら相手を自由にするのに対し、非難の書き込みは相手を縛りつけ、萎縮させ、挑戦する力を奪ってしまう。
こうしたSNSでの干渉は、相手にとっても、自分にとっても、そして社会全体にとっても百害あって一利なしです。──絶対にやめた方がいい。
「言った通りになったな」「心配しただろ」「期待していたのに」
日常会話の些細な言葉にも、支配の影は潜んでいます。悪魔は細部に宿る。
リーダーが何気なく放った一言が、成果を横取りし、社員の挑戦を萎縮させ、主体性を殺し、成果を止めるのです。経営者ほど注意が必要です。
では、どうすればよいのか。
まずは自分に問いかけることから始まります。「これは本当に相手のためか?それとも、自分の不安や欠乏感を満たしたいだけか?」
その問いこそが、心配や期待をするという衝動を押しとどめる防波堤になります。
そして次に必要なのは、信頼を仕組みにすることです。
① 心配や期待を口にする代わりに、願いと信頼を渡す。②「任せる」「信じている」という言葉を繰り返す。③ 成果を上げる仕組みを“整理解決”という形で組織に埋め込む。
信頼は単なる感情ではありません。設計し、仕組みに変えれば、組織は必ず自走を始めます。
多くのリーダーは、人に注目するあまり「心配している」「期待している」という言葉を使ってしまいます。一見すると相手を思いやる良い行為に見えますが、実際には相手を縛る呪いとなります。
大切なのは、人ではなく事実の進捗に注目することです。
◇ 会議やプロジェクトがどこまで進んだのか◇ 課題がどう扱われ、どんな一歩が積み重なったのか
”事実”の積み重ねだけが、やがて信頼に変わります。人を心配しても期待しても、あてにはできません。このシンプルな真実に気づいたとき、経営者は「人をあてにする」のではなく「事実の進捗をあてにできる」組織づくりへとシフトできるのです。
心配や期待は自然に湧く感情ですが、そこには支配欲や依存心が潜みます。それを相手に押しつけることは、組織の成果を奪う“呪いの言葉”となります。
経営者に問われているのは──「人を罪悪感で動かすのか、信頼で動かすのか」という選択です。
信頼を仕組みにできるリーダーだけが、組織を自走させ、成果を継続させられる。家庭でも、社会でも、そして経営の現場でも同じです。
──心配や期待で縛るのではなく、願いと信頼で支える。それこそが、人と組織を自由にし、未来を輝かせる唯一の道なのです。
もしこの記事の内容に少しでも「自分の組織に当てはまるかもしれない」と感じたなら──次の一歩を踏み出す準備は、すでにできています。
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