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前回の記事では、整理整頓できない会社は危ない、その1つめの理由として、そういう会社が「問題の塊」だからというお話をさせていただきました。問題の塊とは「時間」「情報」「境界」「言葉」「指示内容」「仕組み」「指揮系統」「会議」「人間関係」「ルール」「コミュニケーション」「合意形成」「感情」「思考」「信用」「信頼」などあらゆることが散らかっていて解決できない状態のことです。「これでは仕事が順調に進む環境であるはずがありませんね」ということを解説する内容でした。
今回は、整理整頓できない会社は危ない理由 その2です。整理整頓できない組織やチームには、組織やチームを運営するために欠かせないある重要なものが決定的に欠けていて、それが組織の機能不全の原因になっているということをお伝えする内容です。・言っても聞かないスタッフ・動かない組織・動かせない上司・変わらない会社風土・人が辞める・伸びない業績・進まない改革やプロジェクト・育たぬ人材などが発生し組織が機能不全に陥っているとしたら、あなたの組織やチームではこれがないからだといえます。
それは「信頼」です。会社と従業員。経営者と社員。上司と部下。チームのメンバー同士。様々な関係をつなぐ場所や場面で必要になる、お互いの「信頼」ができていない可能性が高いです。
整理整頓できない組織では、お互いに信頼が築かれていないことが理由で、組織が組織のメリットを発揮できないのです。今回の記事では、組織やチームにおける「信頼」の役割、信頼獲得のメカニズム、などについて詳しくお伝えいたします。組織やチームを活かす上で絶対に役立つ情報になっていますので、最後までお読みいただけるとうれしいです。
別の記事でも紹介しましたが、大切なことなので何度でもお伝えします。
信頼は、組織の骨と筋肉をつなぐ腱の役割だといえます。ここでいう組織の骨と筋肉とは、組織を形成する人や設備や仕組みと言った機能や部門の例えです。骨は組織の基本的な構造であり、企業の理念や文化、戦略といった基盤となる要素を象徴します。一方、筋肉は、それを実現するための人材や技術、システムなどの動的な要素です。
これらの骨や筋肉がいかに優れていたとしても、「信頼」という腱がしっかりと各部分を結びつけていなければ、組織はその潜在力を十分に発揮することは難しいでしょう。「信頼」という腱が骨と筋肉を結びつけることで、初めて組織は一つの生命体として動き出すのです。
企業において、仕事の不調を解決しようとする取り組みの多くが、骨や筋肉を強化する目的の場合がほとんどです。ですが、どんなに骨や筋肉を強化しても、腱がちゃんと機能しなければ、組織を有効に動かすことはできないのです。
「信頼」という腱が全てを繋ぎ、一人ひとりの力を大きな成果へと昇華させます。結局のところ、信頼はただのつなぎ目ではなく、組織の生命線そのものなのです。
組織における「信頼」の重要性をおわかりいただけたでしょうか。
私の仕事の特性上いろいろな会社で相談されることがあります。その際に「ウチはお互いに信頼が足りてなくて・・・」という相談は聞いたことがありません。
必ず、前述した、・言っても聞かないスタッフ・動かない組織・動かせない上司・変わらない会社風土・人が辞める・伸びない業績・進まない改革やプロジェクト・育たぬ人材などという問題の形で相談されます。
もうお分かりだと思いますが、これらは全部、その組織に「信頼」が欠けているからなのです。そしてそれは整理整頓ができないことが原因です。
組織に「信頼」が欠けていることで現れる問題はお分かりいただけたと思います。では、そもそもなぜ信頼が欠けてしまうのでしょうか?
信頼が壊れたり、そもそも信頼関係を作れなかったりする理由はとてもシンプルです。人とならば、「言っていることとやっていることが違う」。組織ならば、「決めた事が決めた通りにならない」。それが理由です。あなたは、言っていることとやっていることが違う人や、決めた事が決めた通りにならない組織を信頼できますか?
ところが私たちは、言っていることとやっていることが違っても、決めた事が決めた通りにならなくても、そこは見て見ぬふりをしがちです。上司部下の間でそれを言っても角が立つだけだからです。部下がそれをしてきしたら、かなりやばい状況に追い込まれるのは明らかです。そういった文化の組織で信頼が育まれることはないでしょう。
千代田区立麹町中学校の元校長である工藤勇一先生がご著書の中で「どんなに立派なことを伝えても、生徒たちは信頼する人からしか価値観は学びません。生徒指導の基本です。自戒もこめて。」と書かれていました。自分自身の子供のころの体験に照らしても、まさにその通りだったと思いました。これは大人の世界でもまったく同じではないでしょうか。
そもそも「信頼」がない組織においては、きちんと機能するコミュニケーションが成立しないのです。それなのに経営理念や行動指針を作ってみても、それだけでは「信頼」できる組織文化ができるわけではありません。それは工藤勇一先生のお話のとおりだと思います。
もしも「信頼」できる組織文化を作りたいのであれば、組織の起点となるリーダーが、「言っていることと行動が一致している」「決めた事が決めた通りに実現する」といったことから丁寧に積み上げていくしかありません。それが「信頼」できる組織文化作りが難しい理由です。
会社を大きくするために、良い人材や多額の資金を調達したとしても、それだけでは組織は機能しません。どんなに骨や筋肉を強化しても、腱がちゃんと機能しなければ、組織という身体を有効に動かすことはできないのですから。
信頼の獲得にはメカニズムがあります。ほかの記事でも紹介しましたが、これは本当に大切なことなので何度でもお伝えいたします。
私たちは、大きな目標を達成したり、大きな成果をあげたりすると、それによって大きな幸せや、大きな信頼が獲得できると思っています。果たしてそれは本当なのでしょうか?
確かに大きな達成感や多くの報酬を得ることになるかもしれません。しかし、それによって大きな幸せや信頼までも獲得できているのでしょうか?
冷静に観察してみてください。おそらく事実は違います。
また、大きな目標を達成したり、大きな成果をあげさえすれば、それまでの不義理や信頼を損なう振舞いはチャラにできると思っていませんか? チャラになんてなりません。周囲は一旦あなたの言う事を聞くようになるかもしれませんが、それは信頼を得たからではありません。信頼は、「決めた事を、決めた通りに実現する」ことでしか築くことができません。一つ一つのことの大小は関係ありません。
信頼獲得にはメカニズムがあります。それは、「言っていることと行動が一致している」「決めた事が決めた通りに実現する」ことの回数です。一つ一つ丁寧に積み上げることでお互いの信頼は大きく育つのです。
ホワイト化社会が進む昨今、どんなに大きな成果を残そうと、暴言1つ、1回のハラスメントで信頼は無に帰すのです。みなさまもそのような事例を目の当たりにする機会が増えたと思います。ご自分の身を守る意味でも信頼獲得のメカニズムを心に刻んでおきましょう。
信頼を獲得するためには、「決めた事を、決めた通りに実現する」、「言った事を言ったとおりに実現する」ことです。それだけしか方法がありません。
それに対して「そんなむちゃな・・・」と思った人はいませんか。もしもあなたがそう思ったとしたら、それはあなたの「決め方が間違っている」可能性が高いです。
「決めた事を、決めた通りに実現する」、「言った事を言ったとおりに実現する」ことは、難しいことではありません。それを可能にするための行動は簡単です。「できない事をやると決めない」「できない事をできると言わない」それだけです。いいかえれば、「できることをやると決める」「できることをやると言う」ということができればいいのです。
「決めた事を、決めた通りに実現する」、「言った事を言ったとおりに実現する」ことに「そんなむちゃな・・・」と思った人は、「死ぬ気でやればなんでもできるはず」とか、「大きいことに挑むことに価値がある」という、根拠の不確かな思い込みがあるのだと思います。仕事を不調にするのは「過剰」です。そもそもやれると思っている仕事の量や質が「過剰」である可能性があります。そのあたりの思い込みが、散らかっている症状だと言えます。
その思い込みがある限り、周囲からの信頼獲得は難しくなるでしょう。そのため、リーダーとして組織やチームを機能させることも難しいと思います。
だからといって心配することはありません。「決めた事を、決めた通りに実現する」、「言った事を言ったとおりに実現する」ことは、腑に落ちてしまえば簡単なことです。決め方さえ練習をすれば誰でもできるようになるからです。
信頼を獲得できるようになるためには、「決め方」を練習をすればいいと言いました。そのための練習方法は整理整頓をすることです。
「整理整頓?」と思われるかもしれません。ここでいう整理整頓は、みなさんが想像するであろう整理整頓とは違います。みなさんが想像する整理整頓とは、「片付け」とか「きれいに収納する」というイメージではないでしょうか。なんとなく「ものを片付ける」程度に認識しています。ところが整理整頓の本当の意味は違います。多くの人が「整理整頓」の本当の意味をしりません。
ネットで検索しても、
整理:要るものと要らないものを分別し、要らないものを捨てること と、このような解説がほとんどです。
だから「決め方」の練習が整理整頓をすること言われたても、よくわからないと思います。繰り返しになりますが、整理整頓の本当の意味は、みなさんの想像とは全く違うのです。どうしてそんなことが言えるのかと申しますと、漢字の意味から考えてみてください。
「整理」という漢字から「物を片付ける」という行動の要素がくみ取れますか?「整頓」という漢字から「使いやすく並べること」と意味が結びつきますか?おそらく漢字と意味が結びつかないと思います。
漢字の意味は、「整」は、ととのえる。「理」は、ことわり、筋道。そこから読み解くと、「整理」は「筋道を整える」ということになります。
「頓」は、とどまる・つまずく・くるしむ、といった意味がある漢字です。だとすれば、「整頓」は「障害を整える」ということです。
漢字の通りならば「整理整頓」とは、「筋道を通して、障害を取り除くこと」という意味になります。「筋道を通す」とは、ものごとが、抜かりなく正しい状態で進んでいくことです。ゴールに向かって確実に進んでいく階段を整えるイメージです。「障害を取り除く」とは、ゴールに向かって確実に進むことを邪魔するものを取り除いていくというイメージです。
「筋道を通して、障害を取り除くこと」をさらに具体的なイメージに意訳をいたしますと、「(整理)課題を解決可能な形に整えて+(整頓) 課題解決を実行する」ことです。
そう捉え直すと「整理整頓」とは、それは課題解決そのものと言えるでしょう。決めた事を、決めた通りに実現する上で、課題解決の技術、言い換えると整理整頓の仕組みを理解し技術として使えることがとても有効になります。
この項の最初に戻りますと、整理整頓で練習するとは、課題解決を練習するということです。リーダーとして信頼を獲得して組織やチームを機能させたいと願うのであれば、まず整理整頓の練習から始めるのが、遠回りなようで、結局最短ルートだと言えるでしょう。
もうお分かりいただけたと思いますが、整理整頓ができる人とは「片付け上手な人」とはまるで違い、「課題解決ができる人」です。整理整頓ができる人とは、問題課題を解決可能な形に変えて、解決までの道筋を整え、実際に解決までの行動をする、そういった人のことです。だから、言った事が言ったとおりになり、決めた事が決めた通りに実現できるのです。それができる人が「信頼」を構築できる人になります。
組織で考えれば、問題課題を解決する道筋を明らかにして、メンバーを巻き込み、実際に解決までメンバーを支援しゴールに導く人のことです。
そういう人は、多くはいません。かなり希少です。でも、そんな人材が近くにいたら頼りになると思いませんか? またなれるなら自分ができるようになりたいと思いませんか?
整理整頓ができるようになるのは、実はそんなに難しいハードルではありません。整理整頓の正しい方法を学んで理解し、練習を積めば、その気がある人なら誰でもできる人になれます。
必要なのは、正しい理解と練習だけです。すぐにでも練習を始めたいと思う人は、別の記事で、整理整頓の練習法をお伝えしますのでそちらをお読みください。
整理整頓できない会社は危ない理由 その2「信頼がない」のまとめです。
1 もしもあなたの組織が問題の塊になっているとしたら、それはお互いの「信頼」が欠けていて、それが組織の機能不全の原因になっている。
2 信頼は、組織の骨と筋肉をつなぐ腱の役割。「信頼」という腱が骨と筋肉を結びつけることで、初めて組織は一つの生命体として動き出す。
3 信頼関係を作れない理由はシンプルです。「言っていることとやっていることが違う」。「決めた事が決めた通りにならない」。それが理由です。
4 信頼獲得にはメカニズムがあります。それは、「言っていることと行動が一致している」「決めた事が決めた通りに実現する」ことの回数です。
5 信頼を獲得できるようになるためには、「決め方」を練習をすればいい。練習方法は整理整頓。
6 整理整頓とは、それは課題解決そのもの。整理整頓の練習とは、課題解決を練習するということ。7 リーダーとして信頼を獲得して組織やチームを機能させたいと願うのであれば、まず整理整頓の練習からが最短ルート。もしも組織の状態を何とかしなければと思うものの、どこから手を付けたら良いか、どうして行ったら良いのか、などわからないことや不安がある方は、遠慮なくShineBrightにご相談ください。
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整理整頓できない会社が危ない理由3選(その1)
整理整頓できない会社は危ない理由3選(その3)
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