令和の5Sブログ

整理整頓の意味?令和の5S

整理整頓ってなんですか?

いわゆる5S活動とは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」を徹底することです。

これにより安全・無駄の排除・生産性の向上が得られ会社の業績に効果があるというモノです。

さて5S活動の「整理」「整頓」って何をすることなのでしょうか?

やるのが当たり前と言われる整理整頓なのに、その意味は知らないことないですか?

ちなみに、「片付け」ではないですよ。

今回は、

誤解されている「整理整頓」の本当の意味についてお知らせしたいと思います。

整理整頓とは?本質は課題解決

先に言います。

整理」とは本質的には、

筋道を整えること」 です。

整頓」とは本質的には、

詰まりを取り除くこと」 です。

整理整頓」の本質的な意味を具体的な行動に言い換えると

課題を解決可能な形に変え、解決する行動 です。

それなので整理整頓をすると課題が解決に近づくし、

だからこそ整理整頓をすることは大切なのです。

さて、その詳細は後半でお話しすることにして、

まずは一般的に広く認知されている「整理」「整頓」についてお話いたします。

整理とは?

整理の意味が分からない女性

「整理ってなんですか?」と質問をすると

ほぼ全員の方が「片付けること」のようにお答えになります。

辞書で意味を調べても、

1 乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすること。

2 無駄なもの、不要なものを処分すること。

などと記されているので、それは間違いではないです。

整理の本質|令和の5S

整理の本質

「片付ける」「捨てる」は整理の本質ではありません。

・漢字の「整」・・・ととのえる

・漢字の「理」・・・ことわり、筋道

つまり漢字で表しているのは筋道を整えるということです。

具体的な行動に言い換えると

課題を解決可能な形に変える行動です。

昭和型5S活動の「整理」

昭和型5S活動のバイブルはトヨタの5Sです。

その中で「整理」は、

整理・・・要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること

と定義されています。

優れた言語化です。

これがわかっただけでも、現場の整理は事実として大いに進みます。

昭和型5S活動の「整理」の功罪

輝かしいトヨタの成功のおかげで、5S活動は広まりました。

多くの企業でも取り入れられ大きな成果をあげました。

それと同時に

整理・・・要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること

という5Sの「整理」の定義も広まりました。

しかし反面、整理とは「片付けること」「捨てること」としか認知されなくなりました。

そして、

懸命に片付けてモノを捨てても、活動を継続できない、トヨタのようにはできない、

そんな企業も多く生まれてしまい、5S活動に対してネガティブな見方も生みました。

「整理」は捨てることではない

トヨタの5Sはトヨタの哲学を実践する行動指針です。

もともとはトヨタの哲学の基本を現場に浸透させるために当時の関係者の方々が作ったものです。

そのためにトヨタの哲学を現場で具現化させるべく、それを現場に仕掛ける側がその手段として、

「整理」に「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること」という定義をあてこんだのです。

仕掛ける側は整理の本質は課題解決であるとわかっています。

わかったうえで、より具体的に行動を言語化して現場に浸透を図ったのです。

「捨てる」という意味は後付けです。

トヨタの「整理」の功罪

このトヨタの「整理」の定義には功と罪があります。

トヨタの「整理」の功とは

整理を具体的な行動としてわかりやすくアレンジしてあるので、

現場で整理をする際には実によく機能します。

この定義を説明するだけでも現場が具体的に動けるのです。

これにより誰にでも現場で徹底的な無駄の排除が可能になります。

トヨタの「整理」の罪とは

トヨタでは「トヨタの整理の定義」が機能しました。

それはトヨタの哲学が土台にあるからです。

トヨタを見習い5S活動を取り入れた企業の多くは、

5Sの定義だけを取り入れてしまいました。

あるていどは機能して、活動が成果を上げることができます。

一定の成果を上げた以降に活動を継続できないケースが頻発します。

行動指針として作られた定義を実践して、徹底的に要らないものを捨てても、

そこから哲学になることはないのです。

哲学がないので、いつしか道を見失い活力を失う5S活動になってしまいます。

多くの企業で5S活動に失敗をする理由です。

功罪を知って「整理」に取り組む

「整理」は捨てること

というのは本質は違うということです。

「整理」とは「筋道を整えること」

という本質をふまえたうえで、

まずはモノを要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てることから始める。

というのが、持続可能な活動になる「整理」の進め方です。

整頓とは?

整頓の意味が分からない男性

あらためて「整頓ってなんですか?」と質問をすると

多くの方が「?」となります。

整頓の本質|令和の5S

詰まっている様子

辞書で意味を調べると、

・ 散らかり乱れている物を、きちんとかたづけること。

また、そうして整った状態になること。

でした。

それならば、整理整頓は

「片付けて、片付ける」ことになってしまうではないですか。

そんなわけないですよね。

整頓の本質は違います。

・漢字の「整」・・・ととのえる

・漢字の「頓」・・・とまる、とどまる、つまずく、くじける、くるしむ、困り果てる

つまり漢字で表しているのは、障害(詰まり)を整えるということです。

具体的な行動に言い換えると

障害を取り除く、解決する、といった行動です。

だから整頓をすると物事がスムーズに流れるようになるのです。

だからこそ整頓が大切なのです。

昭和型5S活動の「整頓」

トヨタの「整頓」は、

整頓・・・必要なモノをいつでもすぐに取り出せるようにすること

と定義されています。

この定義に沿って現場では「とりやすいように並べて表示をする」という具体的な行動が進みます。

トヨタの整理の話と同様に整頓も哲学を具現化するための手段として

定義をあてこんだのです。

トヨタ生産方式の生みの親、大野耐一氏の言葉に

「いらないものを処分することが整理であり、ほしいものがいつでも取り出せることを整頓という。ただきちんと並べるだけなのは整列であって、現場の管理は整理・整頓でなければならない。」

とあります。

大野耐一氏が実現したいトヨタの哲学を集約した定義です。

伝わってくる気迫に背筋が伸びます。

忘れてはいけないのは、これは、

大野氏が産み出したトヨタの現場のための定義だということです。

功罪を知って「整頓」に取り組む

整理の際にお話ししたことと同様に

哲学なしに定義を実践していると、ある程度成果を出した時点で活動が活力を失います。

「整頓」とは「障害(詰まり)を整えること」

という本質を知ったうえで、

実際の行動としては、

まずは「整頓・・・いつでも取り出せること」を実行することが良いでしょう。

障害(詰まり)を整えるのは、何もモノに限ったことではありません。

社内には、

時間、コミュニケーション、しくみ、言葉、などあらゆる所に障害(詰まり)があります。

それらすべてが「整頓」・・・障害(詰まり)を整えること の対象です。

決まらない会議の様子

例えば、

2時間会議をしてなにも決まらないなんて状況があったとしたら、

障害(詰まり)だらけの証拠です。

まさにこれこそ本質の整理整頓が必要な課題だ、となります。

哲学がなくてはいけないのか?

哲学はなくて良いです。

あるに越したことはないと思いますが、

哲学がなくたって問題ないです。

トヨタの話と矛盾していますが、

哲学なんてそんなに簡単にできる話でもありません。

哲学を持ってからの5S活動なんて悠長なことは言っていられません。

しかし、

哲学なしに定義を頼りにして

5S活動の徹底が目的化してしまった昭和型の5S活動では、

令和の現在では機能しないのです。

哲学がなくても機能する令和型5S活動

御社に体系化された企業哲学がある場合は、

それに沿って、常にバージョンアップする持続可能な活動になると思います。

ない場合は、社員一人一人の成長や自立に主軸をおいた5S活動をデザインしましょう。

「整理整頓」の本質的な意味を具体的に言い換えると

「課題を解決可能な形に変え、解決すること」 です。

こんな力が自由自在に扱える社員さんが増えたらどうでしょう。

社員が自ら課題に気づき自ら解決する、自走型の職場環境を整えられると、

社員一人一人の仕事観がポジティブに変化します。

その環境を整える日々の活動自体が、企業の哲学の代わりになります。

それが令和型5S活動のスタイルです。

企業の哲学は、活動を進めながらゆっくりしっかり考えることができます。

仕事のやりがい働きがいと令和型の整理整頓

課題を解決ができた男性

整理整頓の本当の意味は、

「課題を解決可能な形に変え、解決すること」です。

これを仕事の現場で使えるようになると、

大小さまざまな課題を自ら気づき自ら解決することができます。

これができると仕事にやりがいが生まれます。

皆で整理整頓ができる職場は働きがいがあります。

そんな環境を整えるのが令和型の5S活動です。

令和型の5S活動にはさらに強力な武器として

「清潔」(昭和型) ではなくて「整決|せいけつ」(令和型)がありますが、

それはまた別のお話で。

人材の育成や社内の課題でお悩みがある経営者様、
気になることがあれば遠慮なくお問い合わせ下さい

シャインブライトの「整理整頓」とは、課題を解決可能な形に「整える」こと

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